ドイツ・クラウゼ社のバイブルサイズ6穴金具(径20ミリ)を使用した本革手帳になります。ペンホルダーは径が14ミリまでのペンに対応してます。
今回もしっとり手に馴染む、硬すぎず柔らか過ぎない手帳ができました。しっかり平らに開き、しっかりベルトで閉じられるようにしてあります。
表革に使用したミネルバボックスは不規則な自然なシボが特徴のオイルレザーです。マットな表情ですが使い込むと艶のある銀面にエイジングします。かなり柔らかい革なので裏打ちとしてコシの強いヌメ革を0.5ミリに漉いたものを貼り合わせています。
内装はオットチェント社のベルーガを使いました。ベルーガは日本ではマイナーな革ですが型押しのシボは安定感があり、銀面のハリと艶、キズの付きにくさも優秀です。カラーバリエーションが少ないのが難点ですが私のお気に入りの革です。
秀革堂の製品はただ革を貼って縫い合わせるのではなく,繊維の粗い床面(裏)側の部分を取り除き、薄くした銀面(表面)どうしを貼り合わせて1枚として使う技法によって両面が銀面(表面)になるように製作しています。これにより革の銀面(表面)のみで美しく仕立てることができ、革が伸びにくく丈夫に作れるので末永くお使いいただけます。
革のコバ(裁断面)は染色した後、天然の布海苔(フノリ)を使い手作業で磨きあげ、蜜蝋を染み込ませてあります。
生成り色のリネン糸を使い丁寧に全て手縫いで仕上げました。
■仕様
【素材】
表革:MINERVA BOX / BADALASSI CARLO 黒
内革:BELUGA / CONCERIA 800 S.P.A 茶色に近いオレンジ
金具:クラウゼ/バイブルサイズ6穴20ミリ
ステッチ:リネン/オレンジ
【サイズ】閉じた状態
高さ:19cm / 幅:14cm / 厚み:約4cm
★MINERVA BOX / BADALASSI CARLO
イタリアの老舗タンナーバダラッシ・カルロ社は10世紀以上の歴史を有するバケッタ製法を現代に蘇らせたことで有名なタンナーです。
このバケッタ製法では一般に用いられることの多い魚や植物の油を使わず、牛脚油を使用しています。一度浸透した油分が抜けにくく、使い込んだ時の美しい艶のある銀面が特徴です。
ミネルバボックスはドラムによって表情豊かなシボが付けられています。このシボは型押しなどとは違い場所によってムラがあります。
★BELUGA / CONCERIA 800 S.P.A
通常日本ではオットチェント社と呼ばれています。 800のイタリア語の発音がオットチェントに近いようです。社名の800は同社が得意とするバケッタ製法の発祥が西暦800年ごろであることに由来しています。
ベルーガはドラムでなめしと染色を行った後にプレスでシボ加工を行い、仕上げで表面に光沢感を出しています。
天然の不規則なシボとは違い、整ったバランスの良いシボが特徴です。ムラのある染色とあいまって独特の雰囲気を醸し出します。革自体は柔らかめですが銀面はハリがあり、長年使ってもキズが付きにくい革です。
★リネン糸
秀革堂では天然素材である麻糸のリネンに蜜蝋を塗って使っています。麻糸はポリエステルに比べ摩擦に弱いとされていますが実用上大きな違いはないと考えています。
リネンは繊細で毛羽立ちが少なく上品に仕上がります。革という自然素材に組み合わせるのにとても相性の良い質感だと思っています。
■革について
革は天然素材のため個体によって生前の傷や穴、シワ、汚れなどが存在します。
入荷時期によっては同じ商品名の革でも色合いや質感が多少異なる場合があります。
ディスプレイ環境により、画像の色合いやツヤ加減等が実物と異なって見える可能性があります。
製作における細かい傷などがあることをご了承ください。
■全て一点物につき写真と同一のものをお送りします。