雲南山茶花 雲南のツバキ図鑑 日本語版 栽培品種106種 野生種17種 品種写真解説学名歴史栽培 トウツバキ
中国科学院昆明植物研究所主編
中国雲南人民出版社
日本放送出版協会
1981年
日本語
26x25x2cm
ハードカバー
写真図版フルカラー 解説モノクロ
※絶版
中国科学院昆明植物研究所における雲南山茶花(トウツバキ)の30年にわたる研究を一つにまとめたもの。
中国切手の人気デザイン図案としても高名な、トウツバキ・雲南山茶花の栽培の歴史および、
雲南省に現存する雲南山茶花の古木などについて、詳しく記述。
雲南山茶花の植物学上の特徴および環境生態条件などについても詳しく解説。
雲南山茶花の品種形成、変遷および分類についても深い考察を行い、現在106の栽培品種を三つの大きなグループに分け、さらに八つのタイプに分けている。品種ごとにカラー写真を1~2枚添えて、全面的かつ系統的な理解と認識の一助とした。
園芸種や原種の自然環境での姿などを豊富なカラー写真に加えて、品種データ、英文品種分類名、学名、栽培方法他を網羅した、内容充実の大変貴重な図鑑・資料本。
【序文より】
中国科学院植物研究所副所長
中国は広々とした国土をもち、自然地理条件は 一様ではない。原産植物にも恵まれており、その多くが実用価値と観賞価値をかね備えている。
加えて中国の農業、園芸の長い歴史と、勤勉で知恵に富む労働人民の、ていねいに耕し、注意深く植えるという優れた農業技術は、もとより世界に冠たるものである。中国が多くの農作物と園芸作物の発祥の地であるということは、すでに世界各国の植物、品種の起源を研究している学者によって広く認められている。
中国の植物、農作物のうち穀物ではアワ、キビ、イネ、オオムギ、ダイズなど、野菜ではカラシナ、ハクサイ、ダイコン、ナガイモ、サトイモ、ラッキョウなど、米実ではモモ、ニホンスモモ、アンズ、ナツメ、カキ、シナグリ、ナシ、オレンジ、ウンシュウミカン、レイシ、リュウガン、サルナシなどと豊富で古くからその名声は高く、人目に膾炙している。観賞植物ではキク、ユリ、ボタン、シャクヤク、コウシンバラ、ハマナスなどの品種が豊かである。以上のものすべてが中国にその起源を発し、今では世界中に広く分布しているものである。シャクナゲ、サクラソウ、リンドウは古くから雲南省の三大名花といわれ、ヨーロッパ各国、アメリカでもすでに広く栽培され、たぐいまれなその美しさをおおいに誇っている。
雲南省の雲南山茶花は、昔「海石榴」とよばれ、中国における栽培の歴史は300年あまりになる。隋、唐の時代に始まり、宋、元、明の時代から徐々に栽培は盛んになったが、山や川や海に隔てられて世界の国々に知られることはまれであった。近代における植物分類学の文献によると、雲南山茶花の学名Camellia retichlata
Lindleyは、19世紀初期(1827年)から見られ始めるが、20世紀後期を迎えて、初めて各国の園芸家に注目され、一世を風靡した。今では雲南山茶花はツバキを愛好する人々から珍品とされ国際園芸展覧会でもたびたび入賞している。
この20年あまり、各国の園芸愛好家から買い求めたい旨の書状をよく受け取っている。また、品種を交換し、その国の原産のツバキと交雑して新品種を育てたいの希望も多い。とりわけ、アメリカ、日本、フランス、イタリア、ニュージーランド、オーストラリアなどの温暖な地域では、園芸学者の非常な注目をあびており、雲南茶花は新品種育成の貴重な母樹となっている。
本書は中国科学院昆明植物研究所植物|のスタッフによる共著である。彼らは10年あまりの歳月をかけて各地で調査を行い、雲南山茶花の研究用の栽培品種および各地の野生ツバキなどを採集して、ぼう大な量の資料を得ている。
本書では、雲南山茶花の栽培の歴史および雲南省に現存する雲南山茶花の古木などについて、詳しく、記述している。雲南山茶花の植物学上の特徴および環境生態条件などについても詳しく解説している。また、雲南山茶花の品種形成、変遷および分類についても深い考察を行い、現在106の栽培品種を、三つの大きなグループに分け、さらに八つのタイプに分けている。品種ごとにカラー写真を1~2枚添えて、読者の方々の全面的かつ系統的な理解と認識の一助とした。
著者たちの多年にわたる研究活動およびそれまでの経験のうえにたって、近代園芸の技術と繁殖栽培の管理方法を躯使し、いずれも進歩向上を得られた。たとえば、雲南山茶花は、かつてはよびつぎ繁殖の方法を主にしていたが、今では各種のつぎ木およびさし木の方法をとるようになり、繁殖率はおおいに増加した。現在、著者たちは国内外のツバキ属植物の種類と品種を広く採集して、遠縁雑交により、樹形、花色、花期の異なるよい香りをもつ新品種を育成しようと試みている。必ずや近い将来に、より優笑な品種を大量につくり出して同好の士に供し、平和を愛する園芸の世界に、よりいっそうの貢献をするであろう。
この活気に満ちた百花が、その美を競っている美しい季節のなかで、著者らが更なる成功を得られんことをお祈り申し上げる。
【目次】
序文
著者紹介、本書の内容
雲南山茶花(トウツバキ)の特性
分類学上の位置 形態の特徴 形態と変異 成育の特性
雲南山茶花(トウツバキ)の園芸品種~由来と分類~
園芸品種の由来 園芸品種の命名法 園芸品種の分類
雲南山茶花(トウツバキ)の106品種
ラッパ形 マグノリア(玉蘭)形 ハス形 平曲弁(波浪)形 蝶翅形 バラ形 放射形 ボタン形
(付)雲南山茶花(トウツバキ)のいろいろな利用
雲南山茶花(トウツバキ)の歴史
原産地雲南省に現存する老大木
文献にみる雲南山茶花 中国から外国への伝播の歴史
雲南山茶花(トウツバキ)の繁殖と栽培
栽培のための成育条件 繁殖の方法 ~種子・つぎ木・さし木・植えつけ・主な管理・病来、害虫の防除
主要ツバキ属植物17種(野生種)
(付)雲南省産ツバキ属植物(表)
索引
品種名(中国名)索引 品種名(英名)索引 学名索引
参考文献
【索引より】
一品紅
二喬
九心十八弁
九心紫袍
丁香紅
小玉蘭
小袿葉
小桃紅
小葉牡丹
大金穂
大紅茶花
大紅袍
大袿葉
大桃紅
大理茶
大理蝶翅
大雲片
大葉銀紅
大葉蝶翅
大銀紅
大瑪瑙
大蝶翅
万朶茶
六角恨天高
水芙蓉
玉帯紅嶺
玉獅子
玉蘭茶
平弁大理茶
仙葉茶
尖葉桃紅
朱砂紫袍
早牡丹
早桃紅
曲弁桃紅
団葉蝶翅
卵葉銀紅
牡丹茶
花葉宝珠
迎春紅
金心大紅
金心宝珠
金蕊芙容
宝玉紅
宝石花
宝珠茶
昆明春
青攻紅桂葉
松子穀
松子鱗
攻紅桂葉
亮葉銀紅
悄玉蘭
巻弁牡丹
巻弁蝶翅
厚葉蝶翅
恨天高
柳葉大桂葉
柳葉銀紅
洋紅綉球
独心大理茶
独心蝶翅
紅五心
紅金翊
紅梅
紅碗茶
紅霞
送春帰
飛霞
帰霞
桂葉洋紅
桂葉桃紅
桃紅牡丹
桃紅朝陽
桃紅結球
粉玉
粉丹
粉紅星
枌紅蝶翅
粉朝雲
枌蝴蝶
通草片
連蕊
張家茶
張家紅
張家蝶翅
彩玉
淡大紅
細桂葉
紫袍
菊弁
麻葉桃紅
麻葉銀紅
麻葉蝶翅
軟枝結球
酔嬌紅
喜迎春
朝霞
童子面
雲華茶
漢紅菊弁
獅子頭
蒲門茶
蓮片托珠
靖安茶
虞美人
鳳山茶
瑪瑙菊弁
瑪瑙紫袍
碧玉
銀紅菊弁
銀紅蝶
銀荷花
銀粉牡丹
蝴蝶茶
錦袍紅
罌口
賽牡丹
賽桃紅
賽菊弁
鶴頂茶
鶴頂紅
ご覧下さりありがとうございます。